1. | GIFファイルとは |
| 1987年に米国のネットワーク会社である「CompuServe」が、グラフィックデータを圧縮、解凍する方法
として発表した規格で、現在ではグラフィックデータの保存形式として一般的になってきている。 |
2. | UNISYSの特許 |
| 一方それより2年前の1985にUNISYS社が米国において「高速データ圧縮及び解凍」としてLZWという方式の
特許を取得し、同様の特許をイギリス、フランス、ドイツなど主要な国でも取得し、
日本でも「デジタル信号ストリーム圧縮装置」として平成5年に出願されている。
このGIF画像の特許問題というのは、GIF画像そのものではなく、GIF画像を生成する時に使われる、
LZW法についての特許問題であり、LZW法を用いないGIF画像は対象外であるが、容量が大きくなり、
実用的ではない。
また、LZW法はGIFのみでなく、TIFF-LZW、PDF、PostScript Level2などにも使われている。 |
3. | 巷の噂 |
| 元々UNISYSは、LZW法は無料で使って良い、という方針だった。(?)
そこで米国の大手パソコン通信局である「CompServe」が、標準画像ファイル形式としてGIFを開発するのに、
このLZW法を用いて作った。
その後、インターネットが普及し、文字だけでなく画像も表示できるようにする時に、当時普及していた
GIFをそのまま採用してしまった。
ところが、このGIF画像の普及を見たところでUNISYSの態度が豹変し、特許に対するロイヤリティを要求してきた。
当時GIFに代わる適当なものがなく、今更変更する事もできない各ブラウザメーカは高いロイヤリティを支払ってしまった。
これに味をしめたUNISYSは更に1999年9月2日に「UNISYSが認めている(ロイヤリティを払っている)ソフトウェア以外
(フリーソフトは当然)を使って作ったGIFを使っているwebページ制作者に対してもロイヤリティを要求する」
という方針を打ち出した。 |
4. | 議論のポイント |
| (1) 「UNISYSが認めている(ロイヤリティを払っている)ソフトウェア以外(フリーソフトは当然)を使って作った
GIFを使っているwebページ制作者に対してもロイヤリティを要求する」というのが、本当かどうか? |
| (2) UNISYS発表の原文のどの部分をどのように解釈するか? |
| (3) 静止画は正規ライセンスのソフトを使うとしても、動画GIFなどはフリーソフト以外に適当なものが無い。 |
| (4) Microsoft社は1996年9月にUNISYSのLZWライセンスを取得し、DLLやAPIの形で開発キットやOSにバンドルしているが、
Microsoft社自身が、「Microsoft社が取得したライセンスは、Microsoftのツールキット、言語開発、システム製品、
OSを使用して、ソフトウェア開発者や第三者がGIFの読みみ取り/書き込みなどのLZW機能を使用した自社製品に組み込む場合には拡大されません。」
という声明を1996年11月14日に出しているが、それではライブラリの意味が無いではないか? |
5. | 私の調査結果 |
| 原文中、以下の部分が上記の議論しているポイントになると考えられる。
UNISYSが1999/9/2発表の原文
【Web Site LZW Licenses Available from Unisys】より抜粋
If you are the operator of an Intranet Web site or an Internet Billboard Web site (see detailed definitions) and
use the types of images covered by the LZW patent, you qualify.
|
|
| しかし、この、UNISYSの原文は「あなたがイントラネットやインターネット掲示板の運営者なら、
LZW特許をカバーしている画像を使いなさい。」と言っているわけで、直接巷の議論のような「ロイヤリティを払っているソフトウェア以外を
使って作ったGIFを使っているwebページ制作者に対してもロイヤリティを要求する」といった表現は無い。
しかし、海外の有名ブランドを偽者と知りながら購入すると違法になる原理からしても、ライセンスを持たない
ソフトで作られた画像を使えば違法との解釈も理解できる。
また、Microsoftの声明にも問題が有り、第三者が使える様にライブラリ化しておきながら、
それを使う場合は自分でロイヤリティをUNISYSに払えというのはおかしい?
Microsoft社が1996/11/14発表の原文
【GIF AND OTHER UNISYS LZW LICENSES】より抜粋
Although Microsoft is licensed under these patents, Microsoft's license does not extend to software
developers or third parties who use Microsoft toolkit, language, development or operating system products to
provide GIF read/write and/or any other LZW capability in their own products ( e.g., by way of DLLs and APIs).
|
|
6. | 私の結論 |
| 法律の問題なので、UNISYS社に聞くべき問題でもないし、UNISYS社に判断を委ねる問題でもなく、結局、「貴方の法律家と相談しなさい。」
ということになるであろう。
貴方が画像処理ソフトの製作者ならUNISYS社にロイヤリティを払わない限り、2003年4月まではLZW法やそれを使った他人の作ったライブラリを使うべきではない。
貴方がサイトの運営者なら、使用するGIF画像を作るアプリケーションをよく吟味して、LZW法ライセンスのあるものを使うべきだろう。
それが企業サイトであるならなおさらである。
個人サイトの場合はどうか?
UNISYS社も全世界のすべての個人サイトをチェックしたり起訴したりするほど暇ではないが、何らかの形で目にとまれば問題になるであろうことは確実である。
特にこのようなことを書いているココは危ないかもしれない。
しかし、出来上がってしまった画像ファイルを見ても、それがライセンスのあるアプリケーションで作られたかそうでないかは判別がつかないのも現実であろう。
|