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素材サイトで著作権フリーのMidi音楽をダウンロードして、自分のサイトのバックグランドにしているところがたくさんあります。
しかし、著作権というのは、作曲者なのか、Midiの作者なのか、Midi制作者が「フリーです」と言えば、作曲者には関係なく使えるのかどうか疑問に思いませんか? そこで、これらの著作権について調べてみました。 調べてみて、私も著作権について誤解していたところがあり、これでハッキリしました。 まず、次のように仮定して、それぞれがどんな立場かを考えます。
中にはCさんの立場の人もいると思います。 では、著作権は誰にあるのかと、それを使った人の権利や義務を考えましょう。 まず最初に注意したいのは、他の特許権、実用新案権、意匠権、商標権といった工業所有権と異なり、文化的な創作物を保護の対象とする著作権では、権利を得るための手続きをなんら必要とせず、著作物を創作した時点で自動的に権利が発生(無方式主義)し、以後著作者の死後50年まで保護されるのが原則なのです。 従って、著作権を得るためにどこかに登録しなければならないとか、登録してないから著作権が無いということはありません。 Aさんは作詞・作曲者であり著作権を持っています。 Bさんは、著作権法第27条で定められていることが関係し、著作権協会が管理するものでは無いですが、事前に著作者や音楽出版者の許可が必要です。 そして、利用方法(新たに出版するとか、レコーディングするなど)によっては著作権協会にも手続きが必要になります。 例えば、極端な例ですが、Bさんは、訳詩などと大それたものではなく、替え歌を作ったとします。 この場合も、作って楽しんでいるだけなら良いのですが、自分のサイトに記載したり、印刷して販売なり配布をしようとしたら、Aさんの許諾無しではできません。 Cさんは、クラシックなど著作権が消滅しているものでない限り、著作権協会に使用料の支払いが必要です。 じゃあ、Bさん、Cさんの場合で、Aさんが著作権協会に登録していない場合はどうかというと、Aさん本人の許可を求めたり、Aさんに使用料を支払うことになります。 著作権協会に登録された曲かどうかは、著作権協会のサイトで検索できます。 ミュージシャンが、Aさんの曲を自分で演奏し、それをMP3などで配信したり、インターネット上で不特定多数の人に聴いてもらうにも著作権協会の許可が必要だそうです。 さらに、インターネットのような、相手を特定できない媒体では許可が下りないとのことです。 ここまでは著作権協会の解釈です。 さて、難しいのはDさんの立場です。 Cさんは、自分で打ち込んでMidiファイルを作ったので、そのMidi化についての著作権を持っています。 しかし、Midi化するには、Aさんの著作物を使うのですから、Aさんの著作権を侵してはなりません。 でも、Dさんは、CさんがAさんの許可を得ているか、著作権協会に使用料を支払っているかは判断できないですね? いえ、できるのです。 著作権協会に使用料を支払っていれば、その許諾マークや許諾番号を表示しているはずです。 それが無ければ無断でMidi化していると考えられます。 つまり、Dさんは、その許諾マークや許諾番号の無いサイトからダウンロードして使えば、無許可のMidiファイルであることを知って使ったことになるそうです。 許可マークや許諾番号があったり、Cさんの曲がクラシックなどの著作権が消滅したものであり、Cさんとしては「フリーダウンロード」を歌ってれば、Dさんは自由に利用可能ということになります。 これが私が著作権協会を調べて得た結論です。 つまり、現在皆さんが行っているMidiのバックグランドは、その原曲がクラシックなど著作権が消滅しているものや、Cさんの自作自演などで自分が著作者のもの以外の曲であれば、ほとんどダメということになります。 ちなみに、著作権が消滅した楽曲とは、著作権法第51条に書いてある、次の点で解釈できます。
余談 また、余談ですが、自分のサイトや掲示板などに歌詞を書く場合、歌詞や、歌詞の一部であっても楽曲が特定できる引用は著作権協会の許諾が必要ということになりますが、一定条件(期間、曲数、掲載方法など)のライセンスである著作物使用許可では、いつ、誰が、何を、どのように利用するかが特定できないため許諾は出ません。 また、曲の部分紹介(サンプル視聴など)で、4小節以内あるいは15秒以内なら、著作権協会への手続きがいらないというのは全くの誤解だそうです。 著作権協会の見解では、曲の時間に係わらず、楽曲が特定できるものは使用許諾および使用料の支払いが必要とのことです。ただし、以下のような規定もあります。
余談の余談 それから、CDなどから自分で聴くために、カセットテープ、MDやCD-Rなどに複製を作る場合があります。 しかし、カセットテープなどアナログ形式は良いのですが、MDやCD-R、DATといったデジタル方式に複製を作る場合は、個人の使用であっても著作権者に対し補償金(私的録音・録画補償金制度)の支払いが必要です。 これは政令(著作権法施行令)で定められており、対象とされているオーディオ製品は以下の機器およびディスク・テープです。 著作権法施行令の一部を改正する政令案概要実際には、個人がいつ複製を作るか分からないので、MDや音楽用CD-Rはその販売料金に補償金が上乗せしてあり、メディアの購入時点で補償金を支払ったことになります。 従って、音楽CD-Rではなく、データ用CD-Rに音楽の複製を作ることは著作権法違反となります。 余談の余談の余談 本題からどんどん外れる(~_~) データ用CD-Rと音楽用CD-Rの違いを良く議論されますので、この点についても調べてみました。 CD-Rの生みの親である、CD-Rメーカ・太陽誘電では、2つメディアは開発や設計の段階で違いがないとのことです。 ただ、音楽用は、補償金コードが予め焼きこまれてることが異なるとのことです。 デジタル録音なので、音質の違いなどが無いことは容易に理解でき、太陽誘電の説明はもっともでしょう。 しかし、音楽や歌を録音したり再生するには、データ用以上に回転の安定性などを求められるため、メーカによっては、データ用とコーティングや表面処理の方法を変えているところもあるようです。 いずれにしても、最も大きな違いは補償金コードが有るか無いかであり、音楽用のCDプレーヤでは、このコードを判別し、無いと再生できないものがあります。やっぱり音楽録音には音楽用を使いましょうね。 ちなみに、この私的録音・録画補償金の金額はというと、以下のようになっているそうです。
じゃあ、なぜデータ用と比べて100円も150円も高いのだ!(ーー;)プリプリ しかし、著作権について、これだけガチガチにしていては、その楽曲を普及させるのに自由が無く、むしろ普及の邪魔をしているのではないかとも思えます。 個人が自分のサイトに使ったり、自分で演奏したり、それを録音・公開するくらいは、もっと自由にした方が広く普及すると思いますけどね。 【参考】社団法人 日本音楽著作権協会結論 | ||||||||
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